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5月, 2023の投稿を表示しています

マイクロ波の規制について

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ワサビスタンではマイクロ波は軍事技術とされており、国内で流通する電子レンジではマイクロ波の発生は禁止されています。この結果、同国内で流通する電子レンジは起動すると中のトレイが回転し光が照射されますが、決して中のものが温まることはありません。 しかし、光を照射することで中のものに効果的なスポットライトを浴びせることができるため、おもちゃのコレクションをディスプレイしたい時などに重宝されています。ワサビスタン国営電子機器工場(VEZ)ではこの温まらない電子レンジを国産しており、スポットライトのような光、ディスコのような光、ノスタルジックな街灯のような光など様々な光のタイプの電子レンジが製造されており、機種によっては音楽が流れたり、スマホと通信して中にあるものを3Dスキャンしたりなど付加機能も充実しています。 なお、マイクロ波の利用は国営機械工場(DMZ)でのみ許可されており、ここではブドウを二つ近づけて電子レンジに入れるとプラズマ波が発生する事象について研究しています。但し現時点では新兵器の開発には結びついておらず、ホットぶどうを量産するに留まっています。

スマートシティ(2) AI搭載自販機

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ワサビスタンにおけるスマートシティのインターフェースとしてもうひとつ活躍しているのが自動販売機です。周辺国に比べ比較的治安の良いワサビスタンでは飲料自販機が普及しており街角で見かけますが、これにAIを搭載する動きが活発化しています。 (イメージ画像:実際の自販機はワサビ語表記) こうしたスマート自販機にはカメラが搭載しれており、目の前に人が立ったことを認識すると、写真から属性(性別・年齢)を推定し、適切な「ボケ」をかまします。これに目の前の人が「つめた〜い」反応をした場合は冷たい飲料が、逆に「あたたか〜い」対応をした場合はホットの飲料が自動的に出てきます。スマホと自販機は自動的に通信を行い、国民登録番号との紐付けを用いて口座から飲料代は引き落とされる仕組みになっています。このため、不用意に自販機の前に立つと買いたくもない飲み物を買わされる恐れがあります。 ただ、このサービスの普及により特に夏場は自販機の前で殺伐とした会話が交わされることになり、国民からは街の雰囲気が悪くなる、という批判的な意見も出ています。

ワサビスタンにおけるスマートシティ(1)

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ワサビスタンの首都、ワサービングラードではスマートシティの社会実装が進められています。市政府ぐるみで進められるこのスマートシティ計画では、地蔵がインターフェースの役割を果たしています。 市内ではブロックおきにスマート地蔵が配置されていますが、地蔵に近づくとスマホと通信を行ない、様々な提案をします。 例えば目的地を地図アプリで設定すると街角の地蔵が「次の角で右に曲がれ」などと道案内をしてくれたり、前回トイレに行った時間をもとに次の最寄りトイレを提案してくれたり、会いたくない人をプリセットしておくとその人が近づいたときに回避ルートを提案してくれたりします。国民登録番号がスマホに紐ついているワサビスタンならではのサービスといえます。 こうしたアプリとリアルが連動した仕組みにより、ワサビスタンでは快適な(痒いところに手が届く、或いは痒くないところに勝手に手が届く)都市生活を送ることができるのです。

ファッションまたは食器としての黒電話

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 電話の機能はスマートフォンに取って代わられましたが、ワサビスタンで形を変えて今でも活用されている黒電話。旧世代からはノスタルジーをもって、若者の間からは新しいファッションアイテムとして愛用されています。 この黒電話にはストラップを付けて背負うのが一般的なスタイルです。両手を空けることにより安全性に配慮するところが、ワサビスタンのZ世代らしい価値観であるといえます。 黒電話は、ケーブルについていない状態では特に通信はできません。しかし街のジューススタンドに持って行くと、受話器に直結する形でジュースのホースを繋ぎ、受話器からジュースを飲める、というのがワサビスタンのスタイルです。勿論使用後はベタつかないよう綺麗に拭き取る必要はありますが、いつでもジュースが飲める(コップの代わりになる)という安心感が支持されています。 街のジューススタンド

ワサビスタンにおける文章生成AIの利用

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 米国や日本など現在世界ではChat GPTが流行し活用が進んでいますが、ワサビスタン国内からのアクセスは2023年5月現在禁止されています。そのかわり、ワサビスタン国産の生成系AI “Cat GPT” が市民権を得ています。 Cat GPT (Gradually Pre-trained Translator)とは、ワサビスタン企業オッペナーイ社(OppenAI)の開発したもので、米PIT出身の気鋭のAI研究者ドミトリー・ワサビエフ、ユーリー・ワサビンコ、イスマイル・ベッチョリの手によるものです。 このAIエンジンはアプリ上で使うことができますが、最大の特徴はどのような質問にもネコ語で返答を返してくれるところです。オッペナーイ社では数百匹の猫を飼っており、同社の猫をトレーニングした結果、自然言語での質問に対し適切な回答をネコ語で返してくれます。現在のバージョンGPT6では更にこの精度が上がったと同社は主張しています。但し、ネコ語から人間の言葉に翻訳することはできないため、この検証には高いハードルがあることも否めません。 自然言語はどの言葉でもOKであり、英語で質問するとmeowと、ロシア語で質問するとмяуと、ワサビ語で質問するとмьааоと、それぞれ返答します。オッペナーイ社によると自然言語を同社所属の猫は理解しており、適切な返答をネコ語で返しているとのことで、証拠として «Тама, купумону ари»(タマ、ご飯だよ)と飼育員がエサを差し出すと嬉しそうに飛び寄ってくる映像が公開されています。

ワサビスタンにおけるフードデリバリーサービス

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 世界中でそうであるように、ここワサビスタンでもウーバーイーツのようなデリバリーサービスが流行しています。但し本家のウーバーは当国には進出しておらず、地元資本の「ウッバーイーツ(UbberEats)」というサービスが最もポピュラーです。 このサービスは好きなレストランから自転車等に乗った配達員が食事を届けてくれるものです。配達員は利用者(注文主)の面前でおいしそうにそれを食べます。代金は注文主のクレジットカードから引き落とされるので、現金の収受がないことが特徴です。 利用者は、配達員が「如何に美味しそうに」食べるかをアプリで採点することで、配達員の質を保つことにつながっています。また、オプションとして、2人分の料金を払うことで利用者自身も一緒に食事をすることができるサービスもあり、こちらも人気を集めています。 このウッバーイーツ配達員は自転車の他に、馬に乗ってデリバリーを行うこともあります。デリバリー手段は配達員が自前で用意することになっており、手段は問わないため、ワサビスタンでポピュラーな乗り物のひとつである馬が選ばれることもありますが、配送料金にはとくに影響はありません。