ワサービングラード市の公共交通
中央アジア有数の大都市・ワサービングラード。ここでは、世界に類を見ないユニークな公共交通網が発達しています。 公共交通を担うワサービングラード交通公社が運営するのはメトロ、トラム、水上交通。このうちメトロとトラムについてはかつては電化されていましたが、ソ連崩壊後に停電が相次ぎ安定した運航が難しくなったことから、現在では人力での運転がなされています。人力、というのはペダルによる駆動です。2階建て車両の下層には床面にペダルが複数設置されており、これによりメトロ・トラムの車両を動かしています。複数人が協調してペダルを踏むことでより大きな出力を得ることができます。 このペダルを踏むという労働の対価としては、無料での移動ならびにコインの配布があります。コインを使って駅の食堂で飲食ができる他、一定枚数を集めると換金できることとなっており、社会のセーフティーネットとしての役割も果たしています。漕ぐ人数が少ないほど同じ速度を出すためにより労力が必要ですが、距離に対して配るコインの総数を一定にすることで、漕ぎ手が少ないときはより多くのコインが貰えることとなり、労働に見合った対価を提供できるシステムとなっています。 水上交通(船舶)は、首都を流れるドブー川に面した埠頭を渡しています。この船舶の駆動力は人力ではなく、鯉。ワサビスタンにのみ生息する「ワサビスタンカープ」という、筋肉量が多く泳ぐ力の強い鯉に紐をつけ、船を引っ張らせることで全身します。鯉が前に進むために餌のまき方に工夫が必要ですが、熟練した鯉職人たちにより鯉の動きをしっかりと推進力に変えています。 このように、ワサビスタンではCO2排出が殆どない公共交通を世界に先駆けて実現しており、世界各国から視察に訪れています。